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ジャズメッセンジャーズ初代テナーで |
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マイルスのグループでもコルトレーンと 「マイプリンスウィルカム/いつか王子様が」で競演。 おなじみディズニーの白雪姫の主題歌。 マイルスの当時の夫人がジャケットになっている。 この頃ジョン・コルトレーンは独立し、レギュラーのテナーはモブリー。 コルトレーンは表題曲に特別参加の形。 初めにポール・チェンバースのベースのポンポン船のような イントロから始まるこの表題曲でのマイルス・デイビスの ミュートトランペットは素晴らしい。 そしてまたポール・チェンバースのポンポンのエンディングで終わる。 この曲のためにレコードを買ったようなものだ。 ホワッとしたつかみどころのないモブリーのソロの後 コルトレーンの鋭角的な切れ目のないアドリブが続くので モブリーはかすんでしまった感じになる。 マイルスがレギュラーのテナーであるモブリーに コルトレーンを特別に加えたのもわからないでもない。 モブリーはこのようなカタチではなく上のSOUL STATIONのような ワンホーンでリラックスした演奏が彼の持ち味なんだと思う。 仕事も同じで、この組織ではダメだけど 他では実力を発揮できることがある。 JAZZを聴けば仕事や人生にも役に立つのだ。(大袈裟なっ……) ● マイルスのライブは今は高層ビルが建ち並ぶ前の、 新宿西口の空き地のコンサートで聴いた。最悪のコンサート会場。 チケットを買わなくても通行中にライブを見て聴くことができるので、 係員がスピーカーで演奏中に「立ち止まらないで」と叫び PA機器の接続が悪く音が聴こえてこない。 肝心のマイルスも交通事故から長い休養後でステージを歩きつつの演奏。 それがトボトボという感じで音もそれと同じような頼りないものだった。 それ以後はマイルスの新作を聴くのを止めた。 ● マイルスといい、映画の黒沢といい、名を成して長い休養の後の作品は どうも……というものが多い。巨匠になるのも考えモノかも。 マイルスの音楽も黒沢の映画も以前は熱気とパワーの中に リラックスしたものがあったが休養後は緊張感だけという感じ。 周りが巨匠の前でノビノビできないのかなっ。 |
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このあたりでJAZZのTRAINといえば定番、 |
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もうひとつコンボ演奏のA列車。 マーキュリーに残したブラウン&ローチのアルバムは多いが駄作がない。 STUDY IN BROWNにA列車で行こうが収録されている。 イントロとエンディングで蒸気機関車のシュシュポッポという 音の感じを演奏しているのが面白い。 マーキュリーのクリフォード・ブラウンの演奏で私が好きなのは 「ウイズ・ストリングス」。 ブラウンの特長であるムダのない流れるような演奏が ストリングスをバックに楽しむことができる。 ● ブラウンが交通事故で惜しまれて亡くなった後、 ローチは黒人権運動に参加して、ドラムソロだけのアルバムなんぞを 出したりして、私に言わすとおかしくなった。 音楽に思想を持ち込むのは良くないのだ。 |
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さあ、だんだんネタに困ってきたぞ。次はこれだ。 こちらは本家本元のウディ・ハーマン楽団の バンド結成40周年の記念コンサートライブアルバム。 カーネギーホールで1976年11月20日で行ったもの。 フォアブラザーズではスタン・ゲッツ、ズート・シムズ、 アル・コーン、ジミー・ジェフリーがソロをとっている。 ハーマンはクラリネット奏者としてはイマイチだが オーケストラをまとめることと育てることは上手なタイプ。 楽団の設立当初からのヒット曲を順を追って演奏する。 リラックスした白人ビックバンドが楽しむことができる。 |
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もうひとつフォアブラザーズを。 アートペッパーと言えばコンテンポラリーレコードの 「ミーツ・ザ・リズムセクション」。 ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥで あまりにも有名なアルバム。 マイルスのバンドがウエストコーストに演奏に来たときに録音したもの。 彼の自伝によると、かなり麻薬に溺れていた時期。 プロデューサーのレスター・ケーニッヒは イーストコーストの有名バンドのリズムセクションが ウエストコーストを訪れたときを見逃さず録音した。 だからこのタイトルというわけ。 ● コンテンポラリーにはペッパーの録音は多い。 「プラス・イレブン」、ここにもフォア・ブラザーズが収録されている。 サッカーと勘違いしそうなタイトルだが、 小編成のビックバンドといったところ。 マーティ・ページのアレンジに乗って、ペッパーはテナーを吹いて、 4兄弟のサウンドを再現している。 あまり話題にならないアルバムだが、 モダンジャズ・クラシックとタイトルされているように JAZZでは有名な曲ばかりなので私は好きです。 ● ペッパーの初来日にはすっ飛んで行った。 ウエストコーストでは大人気のバイブのカル・ジェイダーのバンドに 急遽飛び入りで参加すると聞いたからだ。 真相は日本では不人気のジェイダーでは客が入らず 日本で人気があり麻薬から縁を切ったばかりのペッパーを加えたらしい。 胸に麻薬療養の後だというコプがあり、 1曲ごとにコップの水を飲むペッパーの演奏は素晴らしかった。 ジェイダーは自分のソロには拍手が少なく、 ペッパーのソロにはすごい拍手なので動揺したのか バイブではなくマイクを叩いていた。 このときの様子は異国での盛大な拍手に感激したことが 彼の自伝にも書かれている。 その後、ペッパー自身のバンドのライブも数回聞いたが 重い感じで、初来日の喜びが全身に出ている演奏にはかなわない。 やっぱりペッパーはウエストコーストっぽい軽いテンポに乗った 演奏が良いのだ。 |